こんにちは。
ほぐリッチです!
今回は、突然起こる強い腰痛「ギックリ腰(急性腰痛症)」について、専門的な視点から解説していきます。
⸻
ギックリ腰とは
ギックリ腰は一般的な呼び方で、医学的には「急性腰痛症」と呼ばれます。
主に腰椎周囲の筋肉や靭帯、椎間関節、椎間板などに急なストレスがかかることで炎症や損傷が生じ、突然強い腰痛が発症します。
「魔女の一撃」とも表現されるように、その痛みは非常に激しく、動作が制限されてしまいます。
⸻
発症のメカニズム
ギックリ腰は以下のような要因によって起こります。
• 筋・筋膜性腰痛
腰部の筋肉や筋膜が急に伸ばされたり収縮した際に微細損傷を起こす。
• 椎間関節性腰痛
腰椎後方にある椎間関節が不意の動作や負荷により関節包や靭帯を損傷する。
• 椎間板性腰痛
椎間板に急激な圧力が加わり線維輪に損傷が起きる。椎間板ヘルニアの前駆状態になることもある。
これらが単独、あるいは複合的に関与し、突然の疼痛として現れます。
⸻
発症要因
• 中腰や前屈姿勢での作業
• 重い物を急に持ち上げる
• くしゃみや咳などの突発的動作
• 長時間同一姿勢による筋疲労
• 体幹筋力や柔軟性の低下
• 睡眠不足・疲労の蓄積
⸻
主な症状
• 腰部の急激な激痛
• 動作に伴う強い痛み(体を伸ばす・前屈するなど)
• 姿勢を保持できず、前かがみや横に傾いた状態で固まることもある
• 多くは神経症状(しびれ・麻痺)を伴わない
※しびれや下肢への放散痛がある場合は椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、他の病態を疑う必要があります。
⸻
急性期の対応(発症から1~3日)
• 安静:無理な動作を避け、痛みの少ない体位(膝を立てて横になるなど)をとる
• 冷却:炎症抑制のためにアイシングを行う
• 固定:腰部コルセットで安定性を高める
※完全な寝たきりはかえって回復を遅らせるため、可能な範囲での生活動作は推奨されます。
⸻
亜急性期~回復期(数日後~)
• 温熱療法:血流改善により修復を促進
• 徒手療法:筋緊張の緩和、可動域の改善
• 運動療法:体幹安定筋(腹横筋・多裂筋など)の強化
• 姿勢・動作指導:日常生活での腰への負担を軽減
⸻
予防と再発防止
ギックリ腰は自然回復することが多い一方、再発率が高いことが大きな特徴です。
そのため再発防止のためのケアが不可欠です。
• 体幹のインナーマッスル強化(プランク・ドローインなど)
• 股関節やハムストリングスの柔軟性向上
• 正しい物の持ち上げ方(膝を曲げ、腰を丸めない)
• 長時間の同一姿勢を避け、適度に体を動かす
• 睡眠や栄養による疲労回復
⸻
まとめ
ギックリ腰(急性腰痛症)は「突然襲ってくる激痛」によって生活に大きな支障をきたしますが、正しい急性期対応と、その後のリハビリ・運動療法によって再発を予防することが可能です。
当院では、急性期の痛みのケアから、体幹機能改善・姿勢指導までトータルでサポートしています。
腰痛に不安を感じる方は、ぜひ一度ご相談ください。