心のストレスや不安、うつ状態などのメンタル不調は、心だけでなく体にもさまざまな不調となって現れます。これを「身体症状(心身症)」と呼びます。
精神的な疲れやストレスは、自律神経やホルモンバランスに影響を与え、全身に不調を引き起こすのです。
主な身体症状(メンタル不調による体のサイン)
①【頭の症状】
頭痛(特に緊張型頭痛、片頭痛)
ボーッとする・集中力低下
めまい、ふらつき
②【筋肉・関節】
肩こり・首こり・背中の張り
筋肉のこわばり・力が入らない
関節の違和感(検査で異常がないことが多い)
③【消化器系】
胃の痛み、食欲不振
吐き気、胸やけ、下痢または便秘
お腹の張り、過敏性腸症候群(IBS)
④【循環・呼吸系】
動悸、息苦しさ、過呼吸
胸の圧迫感・しめつけ感
手足のしびれ・冷感
⑤【睡眠・全身】
不眠(寝つけない、途中で起きる)
朝起きられない、強い倦怠感
微熱が続く、風邪のような症状が続く
やる気が出ない、体が重い
メンタル不調と自律神経の関係
心と体をつなぐのが「自律神経」です。
ストレスが続くと、自律神経のバランス(交感神経と副交感神経)が乱れ、体の機能(消化・血流・内臓調整・筋肉緊張など)に悪影響を与えます。
その結果、検査では異常がないのに体調が悪いという状態になることも多く、「気のせいではなく、体の反応」なのです。
早めに気づくための心と体のサイン
「いつもと違う疲れ方」
「休んでも回復しない不調」
「気分の落ち込みが体調にも影響していると感じる」
こうしたサインに気づいたときは、無理をせずに心身を休めることが大切です。
対処法・予防法のポイント
規則正しい生活習慣(睡眠・食事・運動)
1日5〜10分でもよいのでリラックスの時間をつくる(深呼吸・音楽・入浴など)
ストレスを吐き出す(信頼できる人に話す・日記を書くなど)
必要であれば医療機関・カウンセリングの活用も検討を
まとめ
メンタル不調は「こころの問題」だけではなく、体にも具体的な症状として現れるものです。
体の不調が続くとき、「もしかしたら心が疲れているのかも」と考えてみることも大切です。早めの気づきとケアが、心身の健康を守る第一歩です。