脱臼

2025年05月26日 14:50

*脱臼(だっきゅう)**とは、関節を構成する骨同士の位置関係がズレて、正常な位置から外れてしまった状態のことです。関節は本来、骨と靱帯、筋肉などで安定して支えられていますが、強い外力が加わると、そのバランスが崩れ、骨の接合部分(関節)が外れてしまうのです。

主な脱臼の症状
激しい痛み

関節の変形や異常なふくらみ

関節が動かせない、または動かすと激痛

腫れ・内出血

脱力感やしびれ(神経を圧迫している場合)

よく見られる脱臼の部位
部位 特徴
肩関節 脱臼の中で最も多い。腕を強くひねった時や転倒時に起きやすい。再発しやすい。
肘関節 小児に多く、「肘内障(ちゅうないしょう)」という一時的な脱臼がよく見られる。
指の関節 スポーツ中の突き指や衝撃で起こりやすい。
顎関節(あご) あくびや大笑いなどで顎が外れることがある(顎関節脱臼)。
股関節 強い衝撃(交通事故など)や、先天性の構造異常によって起こることも。

脱臼の原因
転倒や衝突などの外傷

スポーツ中の急な動作

交通事故や重い物を持ち上げたときの衝撃

関節がもともと緩い体質(関節弛緩性)

成長期や加齢による関節の弱さ

治療法
整復(せいふく)
 → ズレた骨を正常な位置に戻す処置。整形外科や柔道整復師が行う。

固定
 → ギプスや装具で一定期間、関節を動かさないようにして安定させる。

リハビリ
 → 関節周囲の筋肉や靭帯を鍛えて、再発を防ぐ。

手術(必要な場合)
 → 靭帯損傷が大きい場合や、脱臼を繰り返す人には手術が検討される。

注意点
自分で無理に戻そうとしない!
 → 神経や血管を傷つける危険があります。必ず専門家のもとで処置を受けましょう。

脱臼はクセになることがある
 → 特に肩関節などは一度外れると、再発しやすくなるため、予防のための筋力トレーニングや注意が必要です。

まとめ
脱臼は、骨折と同様に早期の正しい処置が重要なケガです。関節が外れたまま放置すると、関節の変形や慢性的な痛み、神経障害につながるおそれがあります。違和感を感じたらすぐに整骨院、整形外科などの専門医を受診しましょう。

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