【交通事故後の首の痛み】むち打ち症

2025年05月26日 14:36

むち打ち症(むちうちしょう)とは、交通事故などで首に急激な衝撃が加わることによって起こる、首まわりの筋肉・靭帯・神経などの損傷のことを指します。正式な医学用語ではなく、診断名としては「外傷性頚部症候群」や「頚椎捻挫」と呼ばれます。

「むち打ち」の名前の由来
事故などで体が急に前後に揺さぶられたとき、頭がムチのようにしなって動くことから「むち打ち」と呼ばれています。特に後ろからの追突事故で起こりやすいケガです。

主な原因
自動車の追突事故(最も多い)

転倒や転落

スポーツでの衝突や転倒(ラグビー、柔道など)

遊園地の乗り物など強い揺れを受けたとき

よくある症状
首の痛み、こり、動かしづらさ

肩や背中の痛み

頭痛、めまい、吐き気

手足のしびれや脱力感

耳鳴り、集中力の低下、不眠

倦怠感や自律神経の不調

※症状は事故の数時間〜数日後に出ることが多く、受傷直後は「平気」と感じても、あとからつらくなるケースもあります。

種類(タイプ)
頚椎捻挫型(最も一般的):筋肉や靭帯の損傷による痛みやこり

神経根型:神経の根元が圧迫され、手のしびれや筋力低下が起こる

脊髄型:まれに脊髄が損傷されることもあり、下肢に症状が出る場合も

バレ・リュー症候群型:自律神経の乱れにより、めまい・耳鳴り・吐き気などが出る

脳脊髄液減少型:髄液が漏れて頭痛や倦怠感が続くことがある(専門的検査が必要)

治療と対応
安静:痛みが強い時期は、無理をせず安静に

薬物療法:痛み止めや筋弛緩剤などの処方

物理療法:温熱、電気治療、牽引など

リハビリ:状態に応じてストレッチや運動療法を行う

精神的ケア:長引く不調に不安を感じる方には心理的なサポートも有効

むち打ち症の注意点
症状が遅れて出ることが多いため、事故後は症状がなくても病院で検査を受けることが大切です。

長引くこともある(数週間〜数か月)ので、無理をせず根気よく治療を続けることが必要です。

保険や労災の対応も必要になる場合があるため、記録や診断書の取得をおすすめします。

まとめ
むち打ち症は「ただの首の痛み」と軽く見られがちですが、放置すると慢性的な不調につながることもあります。事故や強い衝撃を受けた後は、早めに整骨院や整形外科など専門の医療機関を受診しましょう。

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