腱鞘炎

2025年05月26日 14:32

**腱鞘炎(けんしょうえん)**とは、筋肉と骨をつなぐ「腱(けん)」と、その腱を包み滑らかに動かす役割をもつ「腱鞘(けんしょう)」に炎症が起こり、痛みや腫れ、動かしにくさなどの症状が現れる状態です。手首や指に多く起こり、使いすぎや繰り返しの動作が原因となることが一般的です。

主な原因
パソコンやスマホの長時間使用(タイピング・スワイプ操作など)

ピアノやギターなどの楽器演奏

家事や育児(抱っこ、料理、洗濯など)

スポーツによる過度な手首・指の使用

ホルモンの影響(妊娠・出産期や更年期の女性に多い)

よくある腱鞘炎のタイプ
1. ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)
親指の付け根(手首側)が痛む

親指を動かしたときに強く痛み、腫れや熱感を伴うこともある

育児中の女性やスマホの使いすぎで発症しやすい

2. ばね指(弾発指)
指の腱が腱鞘に引っかかり、「カクッ」と急に動く

指がスムーズに伸びず、途中で止まってしまう

朝方に症状が強くなることがある

主な症状
指や手首を動かすと痛い

腫れや熱をもつことがある

動かすと引っかかる感じがする

指がスムーズに伸びない、曲がらない

対策・治療法
安静にする(使いすぎを避ける)

冷却または温め:急性期は冷やし、慢性期は温めて血行を促進

サポーターやテーピングで動きを制限

消炎鎮痛薬や湿布薬の使用

**注射(ステロイド)**による炎症の抑制

理学療法(ストレッチやマッサージ)

重症の場合は**手術(腱鞘の切開)**が行われることもある

予防法
長時間同じ動作を続けない

こまめにストレッチや休憩を入れる

姿勢や道具(マウス、キーボード、包丁など)を見直す

冷えを防ぎ、血行を良くする

腱鞘炎は初期にしっかり休ませることがとても重要です。無理をして使い続けると慢性化し、治りにくくなることもあるため、早めの対処が大切です。

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