**腱鞘炎(けんしょうえん)**とは、筋肉と骨をつなぐ「腱(けん)」と、その腱を包み滑らかに動かす役割をもつ「腱鞘(けんしょう)」に炎症が起こり、痛みや腫れ、動かしにくさなどの症状が現れる状態です。手首や指に多く起こり、使いすぎや繰り返しの動作が原因となることが一般的です。
主な原因
パソコンやスマホの長時間使用(タイピング・スワイプ操作など)
ピアノやギターなどの楽器演奏
家事や育児(抱っこ、料理、洗濯など)
スポーツによる過度な手首・指の使用
ホルモンの影響(妊娠・出産期や更年期の女性に多い)
よくある腱鞘炎のタイプ
1. ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)
親指の付け根(手首側)が痛む
親指を動かしたときに強く痛み、腫れや熱感を伴うこともある
育児中の女性やスマホの使いすぎで発症しやすい
2. ばね指(弾発指)
指の腱が腱鞘に引っかかり、「カクッ」と急に動く
指がスムーズに伸びず、途中で止まってしまう
朝方に症状が強くなることがある
主な症状
指や手首を動かすと痛い
腫れや熱をもつことがある
動かすと引っかかる感じがする
指がスムーズに伸びない、曲がらない
対策・治療法
安静にする(使いすぎを避ける)
冷却または温め:急性期は冷やし、慢性期は温めて血行を促進
サポーターやテーピングで動きを制限
消炎鎮痛薬や湿布薬の使用
**注射(ステロイド)**による炎症の抑制
理学療法(ストレッチやマッサージ)
重症の場合は**手術(腱鞘の切開)**が行われることもある
予防法
長時間同じ動作を続けない
こまめにストレッチや休憩を入れる
姿勢や道具(マウス、キーボード、包丁など)を見直す
冷えを防ぎ、血行を良くする
腱鞘炎は初期にしっかり休ませることがとても重要です。無理をして使い続けると慢性化し、治りにくくなることもあるため、早めの対処が大切です。